フルーツトマトの元祖、「徳谷トマト」

一年中、食卓に登場する回数の多い野菜といえば、トマトではないだろうか？

リコピン、ビタミンC、βカロテン、カリウムとさまざまな栄養がバランスよく含まれたトマトは、健康維持のために欠かせない野菜だ。そんな馴染み深い野菜、トマトのなかで群を抜く甘さと味わいを誇るトマトがある。フルーツトマトの元祖であり、国内の有名シェフはもちろん、中東の大富豪がその味に魅了され、わざわざ取り寄せていると噂される高級フルーツトマト、その名も「徳谷トマト」だ。

自然災害が生み出した奇跡のトマト

ひと昔前は“青臭い”、そして“酸味が強い”と、美味しい野菜として受け取られていなかったトマト。そんなイメージを覆す甘くて美味しいフルーツトマトが誕生したのは、高知県徳谷地区。

浦戸湾北部に面する徳谷地区は1970年、台風の甚大な被害を受けた。大雨と高潮で堤防が決壊、畑に海水が流れ込み、土壌に海水から染み込んだ塩分が残ってしまったのだ。植物は塩分に弱く、農地として致命傷とも言える大打撃を受けた徳谷の土壌。しかし、そんな一見悪条件とも思われる環境でも諦めずにトマトを育ててみたところ、糖度が高く、驚くほど美味なトマトができたのだ。

台風で土壌に混ざった塩分が水分の吸収を程よく阻害、トマトにストレスがかかることで糖度が増したのではないかと考えた生産者は、この怪我の功名とも言える経験をヒントにトマトを甘くする研究を始める。生産者たちは逆境の中、独自の繊細な栽培技術を編み出し、長い年月をかけミネラルを旨みとし甘さを凝縮させた濃厚な「徳谷トマト」を作り出したのだ。

そう、徳谷トマトは人知の及ばない、自然の気まぐれで生まれた奇跡のトマトなのだ。

徳谷トマトはなぜ甘い？

園芸大国、高知県は徳谷地区が誇る高級フルーツトマトである徳谷トマト。「徳谷トマト」を名乗ることを許されるのは、徳谷地区で生産されたトマトのみ。匠味とも称される希少なトマト、徳谷トマトはどうして甘く育つのだろう？

塩分を含んだ土壌に植えられた苗は、トマトの葉が枯れてしまうほどのわずかな水分のみを与えられて育つ。過酷な条件で栽培されるトマトは生長が遅くなるがその分、土壌の養分をたくさん吸い込んだ果実となる。熟成期間を長く取ることにより、酸味／糖度ともに高く、味が濃く感じられるトマトへと成長するのだ。

No.1実力者、生産者番号52が生み出す「匠味」

フルーツトマトとして抜きん出た甘みと旨味を誇る徳谷トマト。しかし農作物である以上、生産者によってその味が異なることもまた事実。生産者がおのおの栽培方法を研究、生産者によって味が全く異なることでも知られている徳谷トマト、出荷される箱に必ず記載されている「生産者番号」で、どの生産者が作った品物なのか一目瞭然となっている。

KUUCAが今回ご紹介するのは10数件ある生産者のなかでも、一番人気の生産者番号 52番（栄田氏)の手によるもの。徳谷トマトをフルーツとして扱う、高知県の老舗果物店でも極上品として取り扱われてる徳谷トマトだ。

フルーツトマトは通常90日ほどで収穫されるところ、徳谷トマト52番は150日もの日数を要するという。時間をかけて丁寧に育てられ、ギュッと甘さと旨さを凝縮した52番の徳谷トマトは「匠味」と評される、徳谷トマトのなかでも別格の逸品なのだ。

完熟フルーツを思わせる甘さと旨み

この「徳谷トマト52番」、時には糖度13度を超えることもあるという。一般的なトマトの平均糖度が4〜6度、フルーツトマトでも8度程度ということを考えると、ずば抜けた甘さを持つことがお分かりいただけるだろう。

フルーツトマトと呼ばれるのも納得の、驚きの甘さ。そしてその甘さを引き立てる、程よい酸味。ルビーを思わせる深みのある濃い赤い果実にぎゅっと濃縮された甘みと旨みは、一度食べたら忘れられない記憶に残る味わいだ。

収穫後すぐに出荷される新鮮な果実であるため果皮は少し硬いが、噛めば噛むほど果皮と実の間の甘さと旨みが口の中に広がる。そして鼻へと抜ける52番独特のトマトの香りが、甘みと旨みを引き立てるーー。深みのある甘みと旨み、まろやかさがたのしめる「徳谷トマト52番」。成る程、徳谷トマトのなかで一番人気であることも納得の味わいだ。

今が旬、冬トマトならではの濃厚な甘さと旨み

リピーターが多いというのも頷ける味わいの「徳谷トマト52番」、生産に時間がかかるため生産量が非常に少なく、一般的なフルーツトマトの4分の1ほどしか収穫できない希少品。
KUUCAでは見た目、味、ともに最高の極Aランクの「徳谷トマト52番」を期間限定でご用意した。

寒い環境でじっくりと育ち、甘みと旨みが凝縮された徳谷トマト。そのなかでも味わいの素晴らしさで知られる52番、この機会にぜひ味わってみてほしい。果物のような野菜なのか？　はたまた野菜のような果物なのか？　食べた者にしか体験できない、未知の味を体験することができるはずだ。